GameWith Developer Blog

GameWith のエンジニア、デザイナーが技術について日々発信していきます。

振り返りを盛り上げる AI を作ってみた

はじめに

こんにちは。GameWith のエンジニアの tiwu です。

本ブログは GameWith アドベントカレンダーの2日目になります。

qiita.com

本ブログではチームで行っている振り返りに AI を導入して、振り返りを盛り上げようという試みについて紹介します。

チームの現状の振り返り方法

チームの振り返りは、KPT(Keep, Problem, Try) という振り返り方法を採用し、Notion を利用しています。

振り返りは以下のフローで行っています。

  • Keep と Problem を記述する
  • Keep を発表し、議論する
  • Problem を発表し、Try を考え、議論する

振り返り盛り上げ AI の目的

今回導入する AI の目的は「チームメンバーの議論をより活発にする」です。

Keep の議論や、Try についての議論の際に AI による別の視点の質問があることで、議論がより活発になるのではないかと考えています。

振り返り盛り上げ AI の非目的

非目的は「解決案や結論などを AI が出す」です。

議論を活発にするのが目的のため AI が Try を出して振り返り終了、というのは避けたいと考えています。

振り返り盛り上げ AI ver 1.0

Keep, Problem の内容を OpenAI API(GPT-4) に投げて、議論が盛り上がるような質問を AI に出してもらうアプリを作成しました。

フロー

記述した内容を作成したアプリにコピペし、質問を Notion にコピペする、という手順が追加されました。

  • Keep と Problem を記述する
    • 記述した内容を作成したアプリにコピペし、AI に投げる
    • AI から質問を受け取ったら、Notion にコピペする
  • Keep を発表し、議論する
  • Problem を発表し、Try を考え、議論する

質問の例

Keep AI による質問
初めてリリースした(プルリクしてマージした) この経験から学んだ最も有益なことは何でしたか?またそれが今後の開発活動にどのように影響を与えますか?
XXX のリリースが目前で楽しみ。 XXX のリリースが目前だとのことですね。これについて、皆さんが楽しみにしている具体的なポイントは何ですか?その要素を今後の開発でもより活かすためには、どのようなアクションが必要だと思いますか?
Problem AI による質問
XXX 機能、全く記憶なかった & 仕様を改ざんしていた XXX 機能の仕様改ざんの背後には何があると思いますか?また、どのような工夫や体制を整えることで、このような記憶の飛びを防ぐことができると思いますか?

フィードバック

実際に振り返りで利用してみたところ、以下のようなフィードバックがありました。

  • Keep, Problem をコピペして、AI の質問を作るのが面倒
  • コピペに時間かかるので全ての Keep, Problem に質問を作ることができなかった
    • 質問を作れたのは6割でした

振り返り盛り上げ AI ver 2.0

フィードバックを受けて、以下のような改善を行い自動化しました。

  • Notion API を使って自動で Keep, Problem を取得する
  • 取得した Keep, Problem を OpenAI API に投げて質問を受け取り、Notion API を使って書き込む

フロー

AI 導入前のフロート同じになりました、

  • Keep と Problem を記述する
    • (自動で Notion に書き込まれる)
  • Keep を発表し、議論する
  • Problem を発表し、Try を考え、議論する

フィードバック

ver 1.0 と比べて、以下のようなフィードバックがありました。

  • 質問の内容が大体「なぜそう思ったのですか?」になる
  • AI回答 AI自問自答が欲しい
  • 真面目な人と突飛な人が欲しい

振り返り盛り上げ AI ver 3.0

フィードバックを受けて、以下のような改善を行いました。

  • 真面目な人格と突飛な人格を持った AI を作成
  • それぞれが質問を作成する
  • 作成した質問に対して自分自身で回答する

フロー

変化なしです。

  • Keep と Problem を記述する
    • (自動で Notion に書き込まれる)
  • Keep を発表し、議論する
  • Problem を発表し、Try を考え、議論する

質問の例

Keep AI による質問と回答
XXX リリース! 質問:XXX のリリースについて何が順調でしたか、またそれがどう寄与したかを具体的に教えて下さい。
回答:それぞれのタスクが細分化され、同時に複数の項目を進行する事ができました。また、ペアプログラミングの結果、コードの品質が向上し、デバッグの期間を短縮できたと感じています。これが迅速なリリースに寄与したと考えます。

水平思考の質問:もし XXX が音楽を作れるとしたら、どんな機能を追加したいですか?
水平思考の回答:ユーザーが好きな曲のジャンルやムードを投稿すると、それに合わせた音楽を生成する機能が面白いかもしれません。特にゲームの世界観を音楽で表現するような仕組みがあれば、ユーザーのゲーム体験をより豊かにすることができます。
Problem AI による質問と回答
雑談で気を付けてないとしゃべりすぎる。もっと自分がしゃべるだけじゃなくて他の人にしゃべってもらえるような立ち回りをしたい。 質問:自分がしゃべりすぎる傾向にあると感じる原因は何か、またはその背景には何があると考えますか?
回答:それは恐らく私の性格や話すことが好きだからだと思います。また、他のメンバーが自分の意見をあまり発言しないので、私が引っ張る形になってしまっています。

水平思考の質問:あなたが1日中全く話さない日を設定すると、どのような変化が起こると思いますか?
水平思考の回答:それは面白い試みですね。おそらく他のメンバーがもっと積極的に話すようになるかもしれません。また、私自身がもっと耳を傾け、他の人の意見や視点を理解する良い機会になるでしょう。

フィードバック

  • AI の質問と回答が長すぎて、人間だけで盛り上がっていると AI の文章を読まない
  • 深掘りではなく、Problem に対して本当に Problem なのか指摘するような質問が欲しい

振り返り盛り上げ AI ver 4.0

to be continued...

セキュリティ

Keep, Problem の内容を OpenAI API に投げていますが、API 経由では学習されないため,問題ありません。

※ChatGPT では学習されるので注意が必要です。

参考

help.openai.com

終わりに

改善のループ

振り返りの度に AI を試して、フィードバックを受け改善を繰り返す事で、良い改善のループが回せていると感じています。

非目的について

ver 3.0 から AI の質問に AI が答える機能を追加したことにより、非目的にあげていた「解決案や結論などを AI が出す」に反してしまいました。

しかし、答えがあることで議論が発生しないということはなく議論のきっかけになることもあるため、引き続き AI による回答を続けていきたいと考えています。

今後

ver 4.0 についてはまだ考え中ですが、引き続き AI を活用した振り返りを行っていきたいと考えています!