こんにちは、この記事は以下3名でお送りいたします。
- 阿部:プロダクト全体見ている人
- 冬野:マーケティングの責任者も兼ねている人
- 渡邊:デザイナー+広告運用のディレクターも兼ねている人
GameWithは今までオーガニックグロースしかしてきませんでしたが、事業戦略の変更に伴い、マーケティングによるグロースをはじめました。
マーケティングど素人の私達がどうやってPDCAを回してきたかの備忘録になります!
これからマーケやるよ。という方々の参考になればと思います。
このタイミングでなぜマーケティングをするのか
執筆担当:阿部
事業戦略の変更により潜在顧客の獲得が必要!
GameWithには主に以下の事業があります。
- ゲーム攻略事業
- ゲーム紹介事業
- エンタメ事業(YouTuber、イベント運営など)
- 新規事業
今まで「1.ゲーム攻略事業」が集客エンジンで、 ①の自然検索やSNS流入などで獲得したユーザーを、②、③の事業に流すことで、 オーガニックにユーザーを獲得してきました。
ですが今年の初め頃から大きく戦略を変え、「②ゲーム紹介事業」の領域を伸ばす方針となりました。
この領域は「おすすめ ゲーム」などと検索する顕在顧客だけでは市場が小さいので、
「なんか暇だなぁ〜、暇つぶしないかなぁ」と思っている潜在顧客にリーチする必要があります。
プロダクトの形が変わり、潜在顧客にリーチするためにマーケティングをはじめました。
しかしマーケ知識のある人が社内に0
マーケティングを始めよう!となったものの、社内にマーケティング知識のある人はいませんでした。まずはゴールを定めて、次にチームを作らねば、、、!というところからスタートでした。
マーケティングの目標設定について
執筆担当:冬野
マーケチームを作るにあたり、まずは目標を定めました。
目標は主に2つあります。
「ユニットエコノミクスに合う獲得単価を達成する」という短期的な目標と、
マス広告を打つことを想定し「動画における当たりクリエイティブを見つける」という中期的な目標です。
獲得単価の目標は?
そもそもデジタルマーケの常識がわからなかったため、獲得単価がどのくらいになるか全く想像が付きませんでした。
とは言え予算を組む必要があるので、まずはユニットエコノミクスの試算を獲得単価以外の変数を埋めつつ進めることで、「このくらいの単価で獲得したい」というざっくり目標を立てました。
マス広告に向けてクリエイティブの検証
GameWithは「ゲームを探したいと思った時の、第一想起になる」という目標があります。そのために、テレビCMなどのマス広告への展開も将来的に考えています。
マス広告はクリエイティブ検証を細かく回せないので、少額かつスピードをもって検証できるデジタルマーケティングを通して、当たり訴求軸や、動画クリエイティブを見つけることも目標としました。
STEP1.スタートアップに必要なマーケチームとは
執筆担当:阿部
ゴールは定まったものの、どんなメンバーが必要かわからなかったので、トップマーケターの方々に話を聞きに行きました。
お世話になった方々
Tweets by dtakanashi twitter.com
他にもアドバイスをくれた皆様、本当にありがとうございました。
マーケター不要、デザイナー必須説
トップマーケターの方々に「初期にどんなチームが必要か?」話を伺うと、ほとんど共通して以下の内容でした。
・配信面の最適化はAIが強すぎてやることがない
→オペレーション担当のマーケターは必要ない
・マーケ上手くいくかどうかは、クリエイティブのPDCAをどれだけ回せるか
→デザイナーはインハウス必須
・ブランディングやマス広告を打つフェーズではCMOが必要
→強い意思決定が必要になるので、事業責任者の経験があると特に良い
マーケが上手くいくかどうかは、インハウスデザイナーがいるかどうかが鍵になりそうです。
実際のチームメンバー構成
先輩方のアドバイスを参考に、以下のチーム構成でメンバーを集めました。
最初はリーンに始めるため、全員他の業務と兼務しています。
- マーケ責任者:冬野(事業責任者の経験あり)
- デザイナー:渡邊(グラフィックデザイン経験あり)
- パフォーマンスチェック:紹介いただいた広告代理店
ここからは、実際にどのような手順でマーケを進めていったかを紹介します。
STEP2.一番重要!訴求軸の洗い出し
執筆担当:渡邊
広告の要素を分解すると「 訴求軸×モチーフ×表現 」だと考え、まずは訴求軸から洗い出しました。
(この分解方法はオリジナルなので、必ず正しいわけではないと思います)
「できること」から訴求軸を探してみたら狭すぎた.....
まずブレストで「GameWithアプリでできること・得られること」を洗い出し、そこからターゲットに需要がありそうな訴求を絞り込んでいきました。
絞り込んだものを3つにまとめると以下になりました。
- 使いやすい
- 質の良い情報が得られる
- ゲームを探す行為自体を楽しくする
しかしこの方法ではアイデアが網羅的でなく、潜在的なニーズを洗い出すことはできませんでした。
また実際にクリエイティブを作る際に、訴求軸がふんわりしていたため考え直しが必要でした。
「商品を売る」ためのフレームワークで鬼のアイディア出し
執筆担当:渡邊
最初のブレストでは「アプリにできること」を洗い出すことに集中してしまい、事実を述べる訴求になりがちでした。
そこで次に「商品をどう表現して売るか?」に焦点を当て、かつ網羅的にアイディアを出せるフレームワークを探しました。が、良いものが見つかりませんでした。
なので、本を参考に以下のようなフレームワークを作りました。
縦軸は訴求したい内容
縦軸は以下のような分解をしました。
(オリジナルなので、これが正しいかはわかりません)
- 何の機能があるか
- その機能で何ができるか
- その体験をすることでどんな状態になるか
GameWithを当てはめた例が以下です。
- 何の機能があるか→動画でゲーム紹介
- その機能で何ができるか→文字よりも、ゲーム内容がすぐわかる
- その体験をすることでどんな状態になるか→ハマれるゲームがすぐ見つかる
横軸は表現方法
横軸の洗い出しはこちらの本を参考にしました。
すごいタイトルですが、キャッチコピーを書くためのキーワードがたくさん書かれている素晴らしい一冊です!ここに書かれたキーワードにとにかく弊社アプリの機能を当てはめていきました。
当てはまらないコピーもたくさんあるので(伝統の〇〇、美しすぎる〇〇)とにかく「これならGameWithでも言える」というものを速度優先でどんどん入力。 「特長」「気づき」「強調」「リアル感」などジャンル別にまとめられているため、表現の幅が出しやすかったです。
具体例
伝えたいこと(縦軸)
「GameWithアプリなら1分ほどの動画でゲームの内容がわかる」
表現方法(横軸)に当てはめると、
- 「新時代のゲーム選び」
- 「長い記事はもう不要に!1分動画でゲーム紹介」
- 「失敗しないゲーム選びの条件は「動画」にある」
など、様々な表現方法がとにかく大量に生まれます。 最初のブレストでは生まれなかった「現状との比較」「トレンド」などの新しい訴求軸を発見することができました。 フレームワークを使ってアイディアを量産したあとは、グルーピングして絞り込むのがポイントです。
STEP3.クリエイティブを作る
執筆担当:渡邉
バリエーションを管理しよう
訴求軸が固まったところでデザインに着手しました。
ここでも引き続き「訴求軸×モチーフ×表現」の分解で考えていきました。
成果が高いクリエイティブがあった場合に、「訴求軸」「モチーフ」「表現」の、どの部分が成果に紐付いていたのか検証するために、それぞれの変数を管理しました。
なるべく検証がバラけるように、表を使ってクリエイティブを管理していました。
具体例
以下は訴求軸とモチーフは固定で、表現だけ変更した例です。
- 訴求軸:最新ゲーム情報がすぐ届く
- モチーフ:スマホ画面
スマホ画面の大きさ、文字の大きさなどもあまり差を出さず、表現だけをばらけさせることを意識しました。
STEP4.実際に広告出稿
執筆担当:冬野
クリエイティブ検証にもコストがかかる!
GameWithではUAC、Twitter、Facebook、Apple Search Adsなどに出稿を行っておりました。
当初は1日~3日単位でPDCAを回していこうかと思っていましたが、UACなどは、機械学習の期間を考えると、検証のサイクルがおよそ2週間程度になりました。
想定よりも大分かかることがわかり、クリエイティブのアイデアが数多くあっても検証がなかなか進まないというジレンマに陥りました。
クリエイティブを定性的に絞り込む必要がある
このままでは、検証が終わるのに数年かかってしまう。
そこでGameWithの社内向けに、クリエイティブの要素を絞り込むための定性調査やアンケートを実施しました。
あくまで定性調査上ではありますが、効果が高そうなパターンに絞ることができました。
実際の成果
始めた当初から3ヶ月で500%改善!
具体的な数値が出せないためぼかしますが、始めて3ヶ月で獲得単価は5分の1になりました。
CPAに関してはほぼ目標を達成し、CPIに関しては想定よりも安いコストで獲得できています。最初から上手くいったわけではなく、運用する中でCPAは500%改善されています。
今後の挑戦として、CPAを維持しつつ配信ボリュームを最大化する必要があります。
新しい挑戦は楽しい!
このチームに参加したメンバーは全員急激なキャリアストレッチをしました。
マーケターが一人もいない中で初めてのデジタルマーケティングに挑戦し、とてつもない負荷だったと思います。ですが、たった3ヶ月で全員成長し、人生の資産になったと思っています。
このプロジェクトに関わった全てのみなさん。ありがとう。
心から感謝してます、愛してます。
(1年前にも同じこと言っていた)