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プレゼンはAI動画でやる時代? 僕が休暇取得のために試した、未来の働き方

こんにちは。GameWithのmochanableです。

「来月プレゼン発表だよ」と聞いて、どのような気持ちになりますか? 資料の準備、台本の作成など多くの時間と労力を要すると感じる人も少なくないはずです。

事実、社内で業務アピール会というLT会で僕は発表することになりました。 しかし、その日は”有給を取りたい”。

この個人的な動機が、「AIが代わりにやってくれないかなぁ」という発想に繋がりました。

今回は、AIを用いてプレゼン動画を制作した顛末と、そこから垣間見えたことについてお話しします。

今回作成したプレゼン動画の一部

AI動画プレゼン制作のフロー

実際に私がどのような手順でAIプレゼン動画を制作したのか、その過程をご紹介します。

Step 1: 資料のインプットと骨子作り with NotebookLM

まず、プレゼンの土台となる情報をAIに読み込ませる必要があります。今回は、GoogleのAI搭載ノートツール「NotebookLM」を利用しました。

NotebookLMへ、今回の発表に関連するデザインドック、仕様書、日々のメモなどをソースとして、すべて投入します。NotebookLMの優れた点は、読み込ませたソースに基づいて、要約や質疑応答、アイデア出しを行ってくれることです。プレゼンで想定される質問に対しても、ソースに基づいた回答を即座に生成できるため、質疑応答の準備にもなります。

Step 2: AI音声生成ツールでナレーションを作成

NotebookLMには音声解説を作成する機能があります。ソースの内容についてラジオ形式で解説してくれます。それらの機能を利用して、男女が対話するラジオの音声を生成しました。

この工程でも、いくつかの試行錯誤が必要でした。

  • 話の流れの問題:関連する資料をすべてソースに追加した結果、本筋ではない部分もラジオにしてしまうことがありました。
  • イントネーションの課題: 時折、不自然に言葉に詰まったり、意図しない抑揚になったりすることがありました。
  • 固有名詞の壁: プロダクト名のようなアルファベットや専門用語は苦手なようで、正確に発音されないケースが散見されました。

これらの課題に対して、ソースに台本を予め入れることで大体の話の流れを制御したり、句読点の位置調整や、単語をひらがなで入力するなどの工夫で対応しました。それでもうまくいかないので、望む結果が出るまで繰り返しました。

Step 3: 字幕と映像でリッチ化する

音声だけでは情報が伝わりにくいという同僚からのフィードバックを受け、音声に字幕と映像を追加することにしました。

編集ソフト 私は「Adobe Premiere Pro」を使用しました。字幕を入れるだけであれば、「CapCut」や「AviUtl」といった無料の動画編集ソフトでも十分に目的を達成できます。最近はAI書き起こし機能もある編集ソフトも増えています。

映像素材 字幕だけでは画面が単調になるため、映像もAIに生成を依頼しました。今回はOpenAIの「Sora」を利用して、「ラジオスタジオで話す男女」といったテーマで4〜5秒程度の短い動画クリップを数パターン生成。これらをランダムに繋ぎ合わせることで、それらしい雰囲気の映像に仕上げました。

これらの作業はほとんどAIで作業したので、思った以上に簡単でした。ちなみに、演者の口の動きと音声を同期させるのは断念しましたが、結果的に誰にもその点は指摘されませんでした。

AIを使ってプレゼン動画は作れるが、まだ大変

こうして完成したAIプレゼン動画。結果として、この試みは予想以上に好評でした。「新しい試みで面白い」「未来を感じる」といった感想が寄せられました。

しかし、率直な感想を述べるならば、「現時点では、手動の工程が多く、まだ手間がかかる」というのが実情です。

  • 各ツールの連携が最適化されておらず、手作業でのデータ移行が発生する。
  • 音声や動画の生成品質が安定せず、満足のいく結果を得るために試行を重ねる必要がある。
  • 最終的な編集・調整は、依然として人間の判断が不可欠。

とはいえ、この手間も急速に解消されていくでしょう。Googleの「Veo」をはじめ、より高性能な動画生成AIが次々と発表されています。プロンプト一つで、台本からナレーション、映像までを一貫して生成する未来は、そう遠くないはずです。その時が来るまで、私は寝て待つことにします。

まとめ

これからは人間がオンラインで直接対話する機会さえ減り、各々のAIを使い魔にしてやり取りをする。そんなSFで描かれたような世界が待っているかも知れません。

この変化の波に乗り遅れないよう、業務でAIを活用したり、慣れたりしておくことで、日々価値観のアップデートをすることが大事だと思いました。

GameWithはAI活用を全社で推進しており、今回の発表も受け入れてもらえるような環境が整っています。ぜひ、興味あればカジュアル面談・採用に応募してみてください! github.com

また、以下に過去のAI活用の記事もあるので、気になる方は読んでみてください。

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